日立金属は27日、同社や子会社で製造する特殊鋼製品と磁性材料製品の一部に関して、顧客に提出する検査成績書に不適切な数値の記載が行われていたことなどの事実が判明したと発表した。
検査で不適切な行為があったのは特殊鋼製品、フェライト磁石、希土類磁石の3製品。特殊鋼製品(焼入帯鋼、特殊鋼線材など)は自動車分野が主体で、加工治具や自動車部品の材料で使用される。特殊鋼製品は安来工場(島根県安来市)で製造しており、顧客に提出する検査成績書に不適切な数値を記載し、顧客に提示した工程とは異なる工程で製造した製品を出荷していたことなどを確認。具体的には最終製品の特性は顧客仕様に合致しているものの、自社溶解材から外部購入材に切り替えた旨を顧客に報告せず、工程変更が未申請のまま出荷を継続していた。不適切行為に係る製品は約30社の顧客に対し、14品種の製品が納入されていた。