2019年12月20日

北野鉄連会長 需要・コスト・販価 三重苦の一年

 日本鉄鋼連盟の北野嘉久会長(JFEスチール社長)は19日の定例会見において、まず2019年を振り返って「海外では米中貿易摩擦、ブレグジットに伴うEUの混乱、中東や香港などの地域情勢、日韓関係の悪化などによって世界経済が失速した。日本は東京五輪に向けて前半は経済、鉄鋼需要ともに堅調に推移したが、後半は世界経済失速の影響を受けて、土木、自動車を除く多くの分野で需要が減退した」と総括。「世界経済成長には貿易摩擦の解消が不可欠であることを痛感させられた」と強調し、「ブラジルの鉱山事故に端を発し、中国の鉄鋼増産が加わって鉄鉱石を中心に原料価格が高騰して、高止まり傾向が続いている。人件費、物流費などの諸物価も高騰。ロシアやトルコの鋼材輸出によって海外市況が下落。鉄鋼業界にとっては、需要減退、コスト高、販価下落が重なる厳しい一年だった」とコメントした。

スポンサーリンク