日本製鉄は18日、東京・茅場町の鉄鋼会館で会見を開き、廃プラスチックの効率的なリサイクルに向けて、容器包装リサイクル法を再構築すべきだと訴えた。
同社によれば、国内の廃プラスチックリサイクル方法のうち、年間内訳の23%を占める「材料リサイクル法」は、廃プラスチックを粉砕して再生樹脂などに加工する方法をとるため、約50%の残渣が発生する。これに対し、同社が2000年から継続して実施している「ケミカルリサイクル法」は化学原料化して再利用するため残渣の発生が少なく、ほぼ全量が再生利用できるが、この方法でリサイクルされる廃プラスチックは年間4%にとどまる。現行の容器包装プラスチックリサイクルに関する入札制度では、材料リサイクルを優先する制度が導入されているため、材料リサイクルの割合のほうが高くなっている。
井口雅夫・技術総括部資源化推進室長は「足元の廃プラスチックの国内滞留問題からも、残渣が少ないケミカルリサイクル法をより活用していき、環境負荷削減効果を高めていくべきだ。入札に関しても、材料リサイクル法を優先する合理性は全くない」として、容器包装リサイクル法を再構築することを提言。再生利用率の高い手法が活躍できる環境の整備、市町村の容器包装リサイクル法への参画率(現状70%)の向上、対象を容器包装プラスチックに限らず一般廃棄物系プラスチック全体を含めるための法整備が必要だと訴えた。