6月28―29日に大阪で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。開催日前後の27―30日までの4日間、高速道路や大阪市内で大規模な交通規制が実施されることから、鉄鋼関連企業も対応に追われている。
会場となる大阪市住之江区の国際展示場「インテックス大阪」がある人工島・咲洲(さきしま)内には鋼材倉庫などの鉄鋼関連企業が多く、三栄金属は27―28日を臨時休業としたほか、ダイサンは本社営業は行うものの、入出庫を休止する。奥平パイプ興業、大同鉄鋼も咲洲内にある南港倉庫を休止。また、日立造船は南港本社のほか、築港工場(大阪市大正区)で27―28日の2日間、堺工場(堺市)で28日の休業を決めた。
大阪市内や堺市に拠点を置く地区電炉メーカーについても、開催日前後の交通規制や製品の需要家動向などを考慮して対応を進めている。中山鋼業(大阪市西淀川区)は27―28日の2日間を有給取得奨励日とし、27日から30日までは製品出荷と製鋼・圧延操業も休止。鉄スクラップの荷受けも行わず、30日の夜間から操業を再開する予定としている。合同製鉄大阪製造所(大阪市西淀川区)では、操業や鉄スクラップの荷受けは通常通り行う予定だが、27日から30日までの製品出荷については休止する。
大阪製鉄は大阪事業所・堺工場(堺市)と同・恩加島工場(大阪市大正区)とも通常通り操業するが、鉄スクラップの荷受けは行わず、製品の出荷も「支障のない範囲で行う」(同社)計画。新関西製鉄・堺工場(同)では27―28日の操業と鉄スクラップの荷受けを休止するほか、製品出荷も基本的に休止するという。
鉄スクラップ企業については通常通り工場をあける一方、「大阪市内の解体スクラップの引き取りなどはG20開催期間中、お断りしている。メーカーへの出荷も交通規制からかなり制約されるだろう」(ヤード筋)などの声も聞かれる。