関西鉄源連合会(会長=黒川友二・扶和メタル会長)が18日実施した第76回鉄スクラップ共同輸出入札は、平均落札価格がトン当たり3万3535円(大阪湾岸FAS、H2グレード)だった。5月14日の前回比で35円高とわずかに上昇したものの、今月13日の関東テンダーから465円安い。「主力向け先となる韓国の鉄スクラップ需要低迷が輸出市況の伸び悩みにつながった」(流通筋)とみられている。また、地区内では電炉各社の炉休を控え、H2を中心とした一般ヘビースクラップの需要が伸び悩んでいることから、成約数量は昨年7月以来約1年ぶりに計1万トンを超えた。
落札結果は一番札がJFE商事のトン3万3675円で5000トンを成約したほか、二番札は日鉄住金物産のトン3万3400円で5200トンを成約。船積み期間はともに7月積みを予定している。応札件数は10社11件で2社が辞退し、応札のうちトン3万3000円を超えたのは落札分を含めて3件にとどまった。
大阪地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格(H2、18日時点)はトン3万3000―3万4500円前後。新断スクラップなど上級品種がタイト化する一方で、H2を中心とした一般ヘビースクラップの需要の落ち込みが懸念される中、「今回の落札価格と地区電炉買値に大きな差が生じておらず、特に数量面では一定の下支え要因となるのでは」(ヤード筋)との声も聞かれる。