財務省が18日発表した貿易統計によると、3月の全鉄鋼ベースの輸出量は前年同月比2・5%減の333万7000トンとなり、14カ月連続で前年同月を下回った。国内の建設、製造業向けが堅調な中で、メーカーのロールはタイト化しており、国内向けを優先し輸出を抑制する傾向にあるようだ。
米国の232条の影響で、海外マーケットでも様子見の姿勢が広がっているもよう。日本メーカーでは、国内の販売価格を引き上げている中で、輸出価格を上げていく考えだ。
輸出の主な地域内訳は、アメリカは前年同月比で40・1%減の11万1000トンと大きく減少した。アジアは271万4000トンと2・7%増で、このうち中国は1・8%減の47万6000トン、韓国は2・5%減の52万4000トン。ASEANは1・0%減の115万7000トン。中東は18・7%増の10万5000トン。
2017年度の全鉄鋼ベースの輸出量は、前年度比7・4%減の3733万1000トンとなり5年連続の減少となった。輸出よりも国内向けの対応によりロールがタイトな状況が続き、年度を通じて輸出量は落ち込んだ。