神戸製鋼所は10日、同社グループにおける品質データの改ざん問題に関して、原因究明と再発防止策に関する報告書を発表した。川崎博也会長兼社長が都内で記者会見を開いて、報告書と最新の安全性検証状況について説明を行った。
川崎博也社長は会見で「不適合製品の納入先525社からの100%の安全性検証を最優先する」と強調。「会社全体の問題であるが、アルミ・銅は人事が固定化されるなどの事情で品質マネジメントが十分に機能せず、多くの不適切行為が発生した」との認識を示した上で、「『外部調査委員会』の報告・提言をベースに私のリーダーシップで短期間に再発防止策をまとめ上げる。経営責任はその後、判断したい」と述べた。
報告書は添付資料を含めて28ページ。まず、本社品質監査や自主点検を機に確認された品質データ改ざんなどの不適切行為の原因について、収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土や、バランスを欠いた工場経営など5つの項目が要因と総括した。