厚板市場は国内外とも需給改善が進み、タイト化の様相を呈し始めた。受注減から主力の造船向けは減少しているものの、大幅減には至らず、2017年度は前年度比5―6%減の350万―360万トンレベルにとどまる見込みだ。逆に建設機械は輸出主体に増加、国内の新排ガス規制に伴う仮需の反動減も小幅で、低迷してきた鉱山機械が部品需要に続いて本体も回復してきた。工作機械など産業機械も高水準にある。加えて建設分野も東京五輪などようやく増加に向かい出した。一方で供給サイドは高炉メーカー各社とも内外の需要に対応、フル操業に移行、一部受注明細のデリバリー調整も発生しているという。国内優先姿勢だが、プロジェクト案件も反転しつつあり、受注面で選択、調整も拡大しそうな情勢だ。