2017年1月13日

新日鉄住金 大分、厚板工場の圧延ライン 操業再開に8カ月

 新日鉄住金は13日、大分製鉄所厚板工場で発生した火災について、厚板工場主電室内の厚板工場の圧延ラインを制御する電気計装設備の大半が損傷していることが判明、停止している厚板工場の圧延ラインの操業再開には8カ月程度かかり、本年9月ごろになると発表した。今月5日の火災発生後、厚板工場の圧延ライン、精整ラインと全ラインの操業を停止していたが、火災の影響がない精整ラインについては、8日から操業を再開させた。しかし、圧延ラインは再開に時間を要する見通しで、すでに鹿島、君津、名古屋の3製鉄所での代替生産を進めているほか、JFEスチール、神戸製鋼所などに代替供給の支援を要請した。

 操業を止めている圧延ラインについては、被災状況の詳細把握、操業再開に向けた資機材の調達、工事工期の短縮検討などに努めているものの、現時点では操業再開に8カ月程度を要する見通しとし、引き続き復旧までの期間の短縮に向けて対応を急ぐ方針だ。

 同製鉄所で製造される厚板の多くは造船向けが占めており、製品供給面ではサプライチェーンへの影響を極力抑えるため、対策を講じていく考えで、今後の具体的な対応について、継続して造船メーカーなど顧客サイドとの調整を進める。  業績への影響については、復旧工事の進捗などを踏まえ、今後、精査するという。

 今月5日の出火後、6日には鎮火し、被災状況の確認を進め、これまでに厚板工場主電室内の設備の大半を損傷していることがわかった。

 同社では、進藤孝生社長を本部長とする危機管理本部を設置し、全社をあげ、迅速対応を図っており、再発防止策として類似設備を対象に全社的に緊急点検を実施。今後の原因調査を踏まえて、必要な再発防止策も講じていく。

 原因については関係当局とも連携し、現在も調査を継続しているとし、13日の段階では判明していない。

 引き続き同社では、今回の火災の原因究明、再発防止策の実施、復旧期間中の顧客への製品供給に全力を傾注する。

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