普通鋼電炉メーカー大手15社(連結10社、非連結5社)の2015年3月期決算が14日に出そろった。建築プロジェクトの新規出件が当初予想よりも少なく、下期以降は国内マーケットの停滞感が顕著になった。これに連動する形で、異形棒鋼など製品市況のジリ安傾向が続いたものの、販売価格の維持に努めるとともに、鉄スクラップ炉前購入価格が主要3地区(東京・大阪・名古屋)平均で前年度比4100円安のトン2万9600円と安値水準が続いたことから、メタルスプレッド(製品販売価格と原料購入価格の差)が拡大した。
その結果、前期比で売上高は8社が増収、7社が減収。JFE条鋼は前期比21万トン、合同製鉄が3万トンそれぞれ減少するなど、実需見合いの生産、価格重視の販売姿勢を堅持したことによって、一部のメーカー、品種で販売数量の減少傾向がみられた。経常損益は11社が増益、4社が黒字に転換し、全15社で黒字を確保。合同製鉄は3期ぶり、朝日工業と伊藤製鉄所は5期ぶり、北越メタルは2期ぶりにそれぞれ黒字転換を果たしている。中山鋼業は今回から決算を非公表にした。