新日鉄住金 造船用鋼板「エヌセーフ・ハル」、今治造船で実用化

　新日鉄住金は5日、今治造船、海上技術安全研究所と共同研究を進めてきた高延性造船用鋼板「ＮＳａｆｅ―Ｈｕｌｌ（エヌセーフ・ハル）」が世界で初めて、商船三井のバラ積み貨物船に採用されたと発表した。延性を高め船舶衝突時の衝撃を弱める。成分設計と結晶粒レベルの組織制御によって鋼材特性を改善、船舶が側面から衝突した際の衝撃エネルギー吸収量は約3倍、衝突で船体に穴が開く（破口）限界衝突速度は約2倍に向上した。海難事故での船舶からの重油漏れなどを抑止、環境汚染防止に寄与。浸水防止や貨物保護にもつながる。市場規模は世界の造船用厚板需要の20―30％に達すると試算、新鋼種の拡大を図る。