2013年12月27日
日本電工・中央電気工業、2014年7月1日をめどに経営統合
日本電工と中央電気工業は27日、2014年7月1日付で経営統合すると発表した。ともに電力コスト上昇などで主力の合金鉄事業の競争力強化を課題としており、機能材料分野でも不確実性が増すなかで技術や開発力を磨く共通の課題を持ち、経営資源を融合、最大限活用するために統合が最適と判断した。新日鉄住金の誕生から1年あまり経過し、旧新日本製鉄系の日本電工と旧住友金属工業系の中央電工が統合し、連結売上高1000億円規模の「新日本電工」として最適生産の確立など相乗効果を狙う。
株式交換契約、統合契約を27日結んだ。中央電工の普通株1株に日本電工の普通株1・15株を割り当てる。日本電工を株式交換完全親会社、中央電工を株式交換完全子会社とする。中央電工株は6月26日付で上場廃止になる。統合時に日本電工は新日本電工に社名を変更する。新日鉄住金の統合会社への持分は20・8%の見込み。
それぞれの事業ポートフォリオの相違や両社の特色を損なうことのない体制を作る。会見した石山照明社長は統合の枠組みについて、煩雑な組織統合などの手続きより事業や技術などの本業の融合に集中すると説明し、将来は合金鉄中心に完全統合をめざすことになるという方向性を示した。
石山社長は生産規模の拡大でプレゼンスを高められるなどと統合の意義を強調したが、金額など具体的な統合効果は今後詰めると説明。西野隆夫社長は鹿島と徳島の主力工場間の物流効率化などに期待する考えを示した。合金鉄で最適生産体制の確立のほか、生産効率向上、原料購買一元化によるコスト削減などの効果を見込む。機能材料では製品群の多様化、技術、開発力の強化などを見込む。
統合には両社の株主総会の承認のほか、関係当局の承認、許認可の取得が要る。高炭素フェロマンガンで年産27万㌧と国内シェアは約5割を占めるものの、販売は新日鉄住金グループ向けが多く、グループ内再編の色彩が濃いため、当局の承認も得やすいと見ている。
スポンサーリンク