関西地区の鋼板市況は上半期、全般的に引き締まらない展開となった。品種的には厚板は年明け、8万円(トン当たり。19ミリ厚の4×8サイズ)どころで弱基調でスタート。供給については国内高炉メーカーは昨年まで月間100万トンを超える生産をしていたが、今年は造船のスローダウンもあって、生産量は月間94万―96万トン程度まで落ちている。地区の店売り市場に影響力のある中山製鋼所も基本的には一定量の生産にとどめた。ただ、輸入材は入着量は昨年同時期に比べ4―5割増の月間4万4000―4万5000トンと高水準な状態が続き、ひも付き市場でシェアを拡大している。
一方、冷延薄板は国内高炉が月間54万トン前後の高水準な生産を継続している。輸出は前年同期比で15―20%程度減の月間25%程度だが、自動車向けなどのひも付き向け出荷が好調で、店売り向け出荷は絞っている。ただ輸入材は月間平均で7万5000トンと高水準。地区コイルセンターの同品種の入荷も抑制された状態が続いているが、出荷の低迷が響き、供給タイト感が出てこない。在庫もコイルセンター段階で圧縮が遅れており、在庫率は現段階でも1・3―1・4カ月程度となっている。