関東地区のH形鋼市況は上期中、下げ局面が続いていた。現在の市況はベースサイズでトン6万5000―6万8000円。東京製鉄が物件対応価格をトン合計3000円引き上げているため、週明けの販売価格発表で値上げを予想する見方が多い。足もとで流通各社は市況の底上げに取り組んでおり、下期中にはいったんは上昇する場面を迎えそうだ。
年初のH形鋼市況はトン7万3000―7万5000円でスタートした。メーカーが値上げ発表をするなかで、流通は価格転嫁に努めたものの、市場に浸透しなかった。引き合いが伸び悩むなか、市況の下値幅は広がっていった。4月には底値圏にあるとの見方が大勢を占めており、大型連休後の需要回復に期待する声が多かった。ただ、需要も大きく伸びなかったうえ、在庫の過剰感と引き合いの低迷から、予想に反して5月以降も市況は下落を続けた。6―7月には一段安となり、7万円を割り込み、6万5000―6万8000円の市況まで下落した。