現代製鉄、東国製鋼などの韓国電炉メーカー各社は、韓国内鉄スクラップの購入価格対策で週内値下げ回避の方向で動いているが、メーカーにより荷受け制限と小幅値下げと二極化しそうだ。POSCOの購入窓口=POSCOP&Sは9日から入荷制限。コスト削減対応を優先させる世亜ベスチール、東部製鉄は10日から小幅値下げの感触。在庫が戻っている現代製鉄などは据え置く見通し。
韓国電炉各社は、1月、2月と輸入スクラップの入荷が低下しており、これに対応して国内購入価格を段階的に引き上げ入荷促進を図っている。この結果、現代製鉄、東国製鋼など大手を中心に工場在庫水準は回復している。こうした中で海外市場、特にスポット輸入の対象国・日本市場が軟化傾向にあるため、今週末から国内購入価格を引き下げてコスト削減を優先させようとの動きがあった。しかし3月後半から日本市場は5月連休対策から上げ傾向が強まると韓国電炉は判断。一時的に価格を引き下げてヤード業者の入荷意欲を殺ぐのは得策ではないとの意向が強まっている。
輸入契約は、1・2月の反省から3月入荷分については、ほぼ予定量を確保たようだ。現代製鉄は、アメリカ産3カーゴ=12万トンをベースに日本産、ロシア産=40万トン合計60万トン、東国製鋼はアメリカ産1カーゴ=4万トンと日本産4万トン合計8万トン、世亜ベスチールはアメリカ産2カーゴ8万トン、大韓製鉄は日本産など2万5000トン、合計70万トン強の契約残。これに加え軟化傾向の日本産を今後もスポットで一定量確保していく計画で、3月のスクラップ確保はほぼ目処が付いた。
11月以降のスクラップ上げ幅13万ウォンのうち1・2月の製品値上げで10万ウォンがカバーできているが、残りの3万ウォンの回復が悩ましい問題になっている。電炉各社は、3月積みでも異形棒を中心に3万ー5万ウォンの値上げを計画している。しかし異形棒のメーカー在庫が3月初で29万2000トンと高い水準になっており、3月の製品値上げは難しい。このため経営判断としてはスクラップ価格を下げてコストアップ分を吸収する対策が浮上しているが、現状ではすんなり値下げとは行かないようだ。