韓国の電炉メーカー・大韓製鋼は、週明けの24日から先頭を切って韓国内鉄スクラップ購入価格をトン当たり1万ウォン(750円)値下げした。2カ月ぶりの値下げ。電炉各社は、先週特別枠で2万ウォン値上げを実施しているが、工場への入荷促進が図られた。東国製鋼浦項工場も25日から1万ウォン値下げする。一方韓国特殊形鋼は、24日からアングル、チャンネルを5万ウォン(3250円)値上げした。収益改善が目的。主力の異形棒の値上げは流動的だが、今週後半に発表される可能性もある。
韓国電炉は、輸入スクラップの入荷減と国内ものの発生源などを背景に1月に入り、2ー3回に亘り国内スクラップの値上げを実施。先週は、期間限定の特別枠という形で、1ー2万ウォンの値上げを実施している。設定期間が終われば、元に戻して値下げするというアナウンスが効果的だったようで、入荷が改善。月末の在庫に多少の余裕が出る見通しから、週明けから一部メーカーが通告通り上げ幅の一部を値下げしたもの。大韓製鋼と東国製鋼浦項はいずれも形鋼主体の工場であり、生産量が少ないことも値下げし易い環境にある。ただ2万ウォン値上げ分の半分で、実施的にはまだ1万ウォン値上げの状態であり、市況沈静化の方向というわけにはいかないようだ。。異形棒主体のメーカーは、依然様子を見ている。値上げの設定期間切れのところでも、直ぐに値下げにはなっていない。
こうした中で韓国特殊形鋼は、アングルなどの価格を一気に5万ウォン値上げ。収益改善に乗り出している。日本、台湾などの電炉は、スクラップ高から製品価格の引き上げが本格化している。韓国でも、比較的輸入材の少ない一般形鋼から値上げの動きが出てきた。月間60ー70万㌧生産されている異形棒は、ゼネコンの反発が強く今のところ2月積みでの値上げは具体化していない。