高炉メーカーは下期(2010年10月―11年3月)の自動車用鋼材の輸出商談で、大幅値上げをめざす構えだ。すでに一部高炉は自動車メーカーに対して値上げを打診、交渉を開始したもよう。個別交渉のため、現時点では値上げ幅など詳細は明らかでないが、輸出商談は需給・原料・現地マーケット変動などを反映して決めることが慣例。自動車生産は、アジア各国で過去最高を記録するなど増加基調にあり、ハイテン材など高級鋼を中心に需給ひっ迫感が強まっている。
中国を中心にアジア地区で鋼材市況が反転していることも、値上げ要請の背景だ。ただ自動車メーカー側は、新興国向けの低価格車の開発・生産競争が激化していることもあり、上期に続く下期の値上げに反発。交渉は難航が予想される。