銑鉄の輸出増が続いている。日本鉄鋼連盟まとめによると3月の銑鉄輸出量は前年同月比約11倍の7万3023トンで、前月比でも75%増えた。3カ月連続の大幅増となり、1―3月の累計輸出量は前年同期比約11倍の12万8282トンに達した。世界同時不況による鉄鋼需要減を受けて高炉各社は大幅減産を継続。鋼材減産に製銑工程の生産調整が追いつかないメーカーが銑鉄を輸出に振り向けているものとみられ、4月以降も需給が大幅には改善していないことから当面は高水準の銑鉄輸出が続くことになりそうだ。
銑鉄輸出は、2003年度が7万7000トンで、04年度から07年度までは2万5000トンから5万トン弱の範囲で推移してきた。足元の輸出量は、3月単月で03年度の1年分に匹敵する規模。