2013年6月12日

住友電工、鋳鉄仕上げカッター発売 精度・能率を両立

住友電気工業は11日、鋳鉄高能率仕上げ加工用フライスカッター「SEC―ゴールミル GFX型」を発売したと発表した。刃先調整機構とチップを縦・横に交互配置することで、経済性に優れ、高精度・高能率加工を両立した。初年度販売計画は2億円。3年後には3億円の売上高を目指す。

鋳鉄は自動車や造船のエンジン部品や自動車の足回り部品、工作機械、産業機械の躯体やベース部分など、比較的大型で複雑な形状を要する機械部品に多く用いられている。金属部品の平面を加工する場合、刃先交換式のフライスカッターが主に用いられるが、大型の鋳鉄部品の場合、加工時間が長くなるため、高速・高送りの高効率加工で加工時間を短縮させたいニーズがある。一方、高能率加工により低下してしまう仕上げ面精度向上には、フライスカッターの刃先位置の微調整作業が必要で、熟練した技術が求められるため、非熟練者でも扱いやすい高精度カッターニーズも高い。同社はこれら高精度と高能率の要求に合致し、経済性も高いフライスカッターを商品化した。

具体的な主な特長としては、スキルレス調整機構を実現し、カッターボディに装着した仕上げ刃用ユニットに、操作が簡単な弾性変形機構を採用した。これにより、従来は熟練者でも非常に困難だった仕上げ刃の正面振れ精度2マイクロメートル以下の調整を非熟練者でも容易に行え、JIS規格Ra1・6以下の優れた仕上げ面を実現した。

また、高能率加工を実現する切れ刃を配置。すくい面が長方形のチップをカッターボディー外周側に縦置き、正面側に横置きの縦横交互配置として、使用コーナー数と仕上げ刃数を最適化した。この結果、ビビり振動が大幅に抑制され、高能率加工でも優れた仕上げ面精度を確保している。

そのほか高精度・長寿命・低コストを実現する専用チップを開発した。仕上げ刃のすくい面を円弧形状の高精度焼結肌とした専用チップは、高い仕上げ性能と優れた経済性を両立。また耐摩耗性に優れる超多層PVDコーティング膜による専用材質「ACK260」、「ACK280」の採用で、長寿命化を図った。

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