2013年4月25日

LIXIL、木目の質感を高めた防音・断熱・インテリア内窓を発売

 神戸製鋼所は23日、特殊表面処理を施した純チタン薄板を開発し、本願寺鹿児島別院(鹿児島市)の屋根瓦の素材に採用されたと発表した。薄板の表面に酸化被膜を生成させることで、意匠性を高めることに成功した。耐候性も高いため、将来の補修費が抑えられる。神鋼によると、純チタン薄板で商品化に成功したのは世界初。酸性雨による屋根の傷みなどに悩む寺社・仏閣を中心に、採用が期待できる。

新製品・新技術 神鋼が開発したのは、チタン薄板の表面に特殊処理を行い、酸化被膜を生成させた製品。酸化皮膜を調整することで、従来の同社のチタン建材に比べて、表面の光沢度は約5分の1になり、瓦らしい落ち着いた色調を実現できた。皮膜には耐食性もあるため、酸性雨などの厳しい環境でも、色調が変化するまでの年月を、これまでの2倍以上に延ばせる。

 新製品は一般的な建材用チタン薄板と同様に量産が可能で、大型の建築物件にも対応できる。皮膜の潤滑性を生かして高いプレス成形性が得られるため、瓦に成形加工する際の生産性の向上も期待できる。

 屋根の面積は約2900平方メートルで、使用する瓦は4万枚、チタン重量に換算すると15トン。チタン製瓦にすることで屋根全体の重さを大幅に軽減することができる。通常、粘土製の本瓦に比べチタン製瓦にすると、屋根の重量を14分の1まで軽減することが可能となる。

 チタンは鉄や銅、粘土などに比べて軽く、耐久性に優れるため、定期的に屋根をふき替える必要がある寺社・仏閣で瓦材として採用が広がりつつある。価格は他素材に比べ高いものの、一度使えば長期間取り替える必要がないため、結果的に改修費用も安く抑えることができる。近年では東京・浅草の浅草寺が本堂や宝蔵門の屋根に、新日鉄住金のチタン薄板で造った瓦を採用した。

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