シャープは14日、窒化ガリウムを使ったパワートランジスタ(パワー半導体)を開発したと発表した。現在、パワー半導体はシリコン製が主流だが、大電流や高電圧に弱く、電力損失が多いのが課題。窒化ガリウムは高電圧に耐えられ、ハイパワーの電力を効率良く使える。
今回開発したパワー半導体は定格電圧が600ボルト、定格電流が8アンペア。電流が流れていない状態から流れている状態に変わる際の電圧(オン電圧)が3・5ボルト、電流が流れている際の抵抗値(オン抵抗)が155ミリオーム。サンプルの価格は税込みで3000円。
従来のシリコン製のパワー半導体に比べ、交流電流を直流に変えたり電圧や周波数を上下させたりと、いわゆるスイッチの役目を果たす時の電力ロスが少ないため、省エネ化に貢献できる。またスイッチの切り替え動作が高速で行えるため、インダクターやコンデンサーなどの周辺部品を小さくでき、製品の軽量化・小型化が図れる。