ホンダは18日、スチールとアルミを結合する技術を開発し、世界で初めて量産車のドアパネルに採用したと発表した。3つの新技術により、従来スチール製だったドアパネルの一部にアルミの採用を可能とした。従来のドアパネルに対して約17%の軽量化を達成。米国で3月に発売する北米仕様のアキュラ新型車「RLX」に採用し、順次拡大を目指す。
新技術はまず、異材結合技術として素材のパネルとアルミパネルを重ね合わせて2段階に曲げる「3Dロックシーム」構造を採用。電食防止技術としてインナーパネルに高防食性鋼板を適用するとともに、形状変更により接着剤を確実に充てん可能な形とした。また、熱変形抑制のため低弾性接着剤の適用と3Dロックシーム構造の最適配置を行った。
鉄とアルミという異種金属を結合させるため、結合技術に加えてさび(電食)防止や膨張率の違いによる熱変形防止を同時に技術確立する必要があった。
新技術ではスポット溶接の工数削減や、結合のための専用工程を増やすことなく既存生産ラインのまま対応できる利点もある。軽量化による燃費性能向上、車体中心に重心が集中することで操縦安定性の向上効果もあるという。