三菱マテリアルは13日、低騒音で低鉄損のリアクトル用圧粉成形コアの開発に成功したと発表した。ハイブリッドを含めた電気自動車のDC/DCコンバーター、太陽光発電や風力発電パワーコンディショナー、エアコンなど省エネ家電用インバーターの静音化や高効率化が期待できる。
高耐熱酸化マグネシウム系絶縁被膜を施した純鉄粉末をベース材料に使った。独自に開発したこの材料は、動作時にコアの発熱として失われるエネルギーの「鉄損」が小さいという特長がある。
また騒音の原因となる圧粉成形コアの磁歪(リアクトルに電流を流したときにコアが伸び縮みする現象)を低減するために配合する合金粉末の組成や粒度を最適な設計にしたほか、バインダ添加プロセス、成形・熱処理プロセスの見直しなども行い、低騒音で低鉄損のリアクトルコアの開発に成功した。
今回開発したコアをDC/DCコンバーターのリアクトルに搭載することで、従来製品と比べリアクトルから発生する騒音を最大約13デシベル程度低減できるという。従来以上の高い電源効率も得られる。