2013年1月30日

神戸製鋼、極厚クロモリ鋼板開発 マイナス30℃の低温でじん性確保

 神戸製鋼所はこのほど、マイナス30℃の低温でもじん性に優れた、低合金極厚クロムモリブデン鋼板(1・25%クロム―0・5%モリブデン鋼)を開発した。世界で初めて板厚160ミリまでに対応する。

 クロムモリブデン鋼板は、ボイラや圧力容器など高温下で使用される耐熱性鋼板だが、極寒地に設置する場合は低温にも適応できなければならない。また、一般に板厚が厚くなるほど内部品質の確保が難しくなり、低温じん性が低下する。

 これまで、マイナス10―30℃の環境下では2・25%クロム―1%モリブデン鋼が使用されていたが、低合金化によるコスト低減や、機器の大型化に伴う厚肉化のニーズが強まっていた。また極寒地のプロジェクトが多数計画されており、低温化のニーズも強まっている。

 これらの課題に対し、神鋼は1・25%クロム―0・5%モリブデン鋼でマイナス30℃での低温じん性を確保しつつ、板厚160ミリまで対応することに成功した。成分設計や熱処理などの造り込み技術により、極厚でも板厚中央部まできめ細かな金属組織を組成し、より低温でのじん性を確保できるようになった。また、不純物を低減し、耐破壊性能も高めた。

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