2012年10月25日

東大生研、白金を塩酸で100%溶解 再資源化技術に応用へ

 東京大学生産技術研究所は22日、「白金を塩酸で溶解する環境調和型の新リサイクル技術の開発」に関する研究の論文が、18日に米国TMSの学術雑誌「Metallurgical&Materials Transaction B」に一般公開されたと発表した。通常、白金をはじめとする貴金属は塩酸に全く溶けないが、塩化処理を施すことによって、塩酸のみで白金を迅速に100%溶解する。

 白金は濃塩酸と濃硝酸の混合液である「王水」などの強力な酸化剤で溶解される。ただ、白金を含むスクラップを王水などで溶解すると、有害な重金属と酸化剤を含む廃液が多量に発生するため、廃液の処理に環境コストが掛かる。この技術を用いると、難溶解性の貴金属を簡便な方法で迅速に水溶液中に溶解して分離・精製でき、同時に処理時間の大幅な短縮が可能となる。有害な廃液を出さない環境調和型の新リサイクル技術の開発への応用が期待される。

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