2012年9月7日
ホンダ、鋼材・アルミ接合技術開発 量産車に世界初適用
ホンダは6日、スチールとアルミという異種金属を連続接合する技術を独自開発し、世界で初めて量産車の車両骨格部品であるフロントサブフレームに適用したと発表した。軽量化と高剛性化を実現するハイブリッド構造のフロントサブフレームを、今月19日に米国で発売する北米仕様の新型「アコード」に採用、順次拡大を目指す。
摩擦かく拌接合(FSW)に着目し、スチールとアルミを連続接合する技術を開発した。スチールに重ねたアルミの上から、加圧しながら回転ツールを移動させることで、スチールとアルミの間に安定した金属結合を新たに生成させて接合。従来のミグ溶接と同等以上の強度での接合が可能となった。
この技術により、従来のスチール製サブフレームに対し25%の軽量化を達成し、燃費向上に寄与。接合製造時の電力消費量も約50%削減した。さらに、この技術を用いてサブフレームとサスペンション取り付け部の構造を変更し、取り付け部の剛性を20%向上するなど車両運動性能の向上にも貢献した。
またFSWは大型装置を用いる手法が一般的だったが、より汎用性の高い産業用ロボットを用いたFSW連続接合システムを独自で開発し、量産車への適用手法を確立した。このシステムはアルミとアルミの接合にも流用が可能で、フルアルミサブフレームの生産も、同一仕様の接合システムで行える。
高感度赤外線カメラとレーザー光を用いた非破壊検査システムも独自開発し、インラインでの接合部の全数検査も可能とした。
鋼材とアルミの異材接合については、神戸製鋼所が溶接材料・溶接法を開発済み。需要家によるサンプルトライアル中だが、実用例はないという。
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