2012年6月1日
協和電線、アルミをフッ素樹脂被覆 軽量・耐熱耐薬品
古河電気工業グループの電線メーカー、協和電線(本社=大阪市)は31日、フッ素樹脂アルミ電線を開発したと発表した。軽量のアルミニウム導体を、耐熱性や耐薬品性に優れるフッ素樹脂で絶縁被覆したもの。素線を錫コーティングし、アルミで課題となるはんだ付け性や耐食性を改善している。自動車の車内配線のほか、軽量性、耐熱性、耐薬品性の求められる用途への展開を狙う。
フッ素樹脂は電気特性、耐熱性・耐寒性、耐薬品性、耐候性、難燃性などに優れ、銅電線の被覆にも適用されるが、アルミ導体のフッ素樹脂電線は開発されていなかった。協和電線では使用温度などに応じ、ETFE、FEP、PFAの3種類のフッ素樹脂被覆に対応できる。
アルミの表面は酸化皮膜に覆われているため、はんだの濡れ性が悪い。異種金属との接合で腐食しやすい問題もある。協和電線はめっき技術を得意とし、アルミ素線を錫めっきすることで、これらの課題を解決。ニッケルや銅、銀などでのコーティングも可能で、導体も銅、銅合金、鋼、ステンレスなどから用途ごとに選択できる。
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