2012年5月29日
Jマテ.カッパー、鉛レス黄銅 Si―Bi混合材料を開発 米国規格ASTM登録
Jマテ.カッパープロダクツ(本社=新潟県上越市)はこのほど、シリコン系にビスマスと錫を添加した独自の鉛レス黄銅材「NEXT BRASS」を開発した。快削性と耐食性に優れ、シリコン系とビスマス系が混在するスクラップも原料に使える。米国における水栓器具の鉛規制強化に対応するため、鍛造用棒材(押出用)、鋳物用地金、連続鋳造材の3種を米規格ASTMに登録した。
本材料に関し特許などで縛りをせず、広く世界中でASTM規格において製造できるようにしている点が大きな特徴。将来的には文字通り次世代黄銅と位置付け、世界標準材としての普及を目指す。材質記号を表わすUNSナンバーは、押出用がC49355、鋳物用がC89720。
規格登録の背景には、米国で2014年1月から、水回り製品の鉛含有量規制が一層厳しくなり、現在広く使用されている表面処理製品なども規制対象となるため。これにより米国メーカーは本年度内に新素材選択の必要に迫られ、すでに鉛の含有量規制の流れを受け、日本国内でも同じく規制強化の動きが出ている。
「NEXT BRASS」の最大の特長は、原料として既存の鉛レス黄銅材(ビスマス系・ビスマス―錫系・シリコン系)のスクラップがすべて利用できることにある。すべての原料が使えることで、コスト面で優位性を発揮。さらに優れた被削性と耐脱亜鉛性能・耐エロージョン・コロージョン性もバランス良く維持し、カドミレスであること、熱間加工性が良いので押出品は鍛造用素材として利用可能――などといったメリットを有している。
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