2012年5月11日
東北大学、蒸気耐性鍛造材を開発 800度級、石炭火力発電向け
国立大学法人の東北大学はこのほど、日立製作所と石炭火力発電プラント用のニッケル基材料とコバルト基材料を開発したと発表した。
金属化合物を最適に分散させることで高温強度特性を向上。800度級の蒸気温度に耐えられる材料になった。これらの材料を使った大型鍛造品と実機模擬部品の試作に成功した。
開発したニッケル基材料を適用した大型鍛造品と、大型鍛造品を使ったボイラー用チューブ、タービン動翼試作材は、マクロ偏析がなく均質。通常の製造ラインで問題なく製造できることを確認した。コバルト基材料を適用した大型鍛造品も試作。製造性と高温強度を両立できる見通しになったという。
ニッケル基材料は大型部材への適用、コバルト基材料は中型でより高強度な部材としての適用が期待される。
発電効率は蒸気温度が高くなるほど向上する。現在は耐用温度700度級のニッケル基材料を使った高効率火力発電プラントの開発が進められている。800度級の開発材料を適用することで、発電効率をさらに高めることができる。
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