2011年12月19日
JFEスチール、耐食性を2倍に 高機能電気めっき鋼板を開発
JFEスチールは16日、高機能電気亜鉛めっき鋼板「エコフロンティアJX」を開発したと発表した。従来に比べ2倍の耐食性、加工工程削減につながるプレス成形性の大幅向上など実現した商品で、環境汚染物質を含まない環境対応のクロメートフリー鋼板「エコフロンティア」シリーズの一つとしてラインアップし、冷凍ショーケースやモーターケースなど、高度の耐食性と成形性が必要とされる部品への用途拡大を図る考え。
従来の電気亜鉛めっき鋼板では、厳しい耐食性が要求される水周り部品などに使われる際、耐食性を確保するため鋼板表面の化成被膜を厚くして対応するが、ただ表面の導電性の低下を招くため、スポット溶接性やアース性が低下するという課題があった。
今回の「JX」はこうした課題を克服するため、08年から開発に着手。現在のエコフロンティアシリーズの主力使用品である「JN」(07年度に大河内記念技術賞などを受賞)で培った、被膜成形技術による腐食抑制のための酸素バリア性と、自己補修性に新たな開発を加え、商品化につなげた。
主な特徴は亜鉛めっき層の表面に緻密な特殊ナノ分子層を形成させる「eNano技術」を新開発し、腐食因子である酸素と水の透過を抑え、薄膜で導電性を維持しながら従来材料に比べ2倍の耐食性を実現。またさまざまな摺動条件に適用可能な新規潤滑成分を添加し、プレス成形性を大幅に向上、これまで需要家でのプレス工程で必要だった塗油およびアルカリ脱脂工程そのものの工程削減も図れるという。さらに被膜損傷防御性を高めたため、密着性や耐食性の点で使用が困難とされていた冷蔵庫・洗濯機など、意匠性の高い塗装下地用部品にも適用でき、使用領域が広がる。
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