2011年12月9日

住友金属・タツミ、床組み工法を開発 溶接軽量H形使用

 住友金属工業と建築金物メーカーのタツミ(本社=新潟県三条市)は8日、木造軸組み建物の2階床面を支える新しい床組み工法として、溶接軽量H形鋼を使った「スマート・ビーム床工法」を共同開発したと発表した。7月には日本建築センターの評定を取得し、このほど第1号物件を北海道帯広市で建設した。

 木造軸組み工法の梁材は、小さな角材を貼り合わせて造る木質材料である集成材が使われるが、「スマート・ビーム床工法」は集成材梁と溶接軽量H形鋼梁の両方を使う工法。

 木材は経年変化を引き起こすが、スマートビーム梁は鋼材であるため、経年変化がほとんどない。加えて建物基礎、柱、梁などの構造躯体(スケルトン)と、壁・水回り・配管・配線など内装・設備(インフィル)を分離したスケルトンインフィル住宅が増加傾向を示す中、設計自由度の高いロングスパンの床組みなどに適用しやすいという特徴を持つ。さらに断面強度が高く、梁せい(上端から下端までの寸法)を低くできるため、北側に起きる影を意識した対応(敷地北側の有効活用や天井高さ調整)を取りやすいという利点などもある。

 今回、日本建築センターの一般評定認定を取得したことで、設計者が個々に構造実験などにより、接合部の安全を証明する必要がなくなると同時に、耐震性能を満たしたことが証明されたことになる。これを受け、両社は関東の工務店を最初のターゲットとして「スマート・ビーム床工法」の提案を積極的に進める方針。

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