2011年10月26日
キッツメタルワークス、新鉛フリー黄銅棒発売 一般棒並みの高耐食性
大手黄銅棒メーカーのキッツメタルワークス(長野県茅野市)は24日、ビスマス―セレン(Bi―Se)系の高耐食性鉛フリー黄銅棒「ZCメタル」の販売を開始したと発表した。既存の鉛フリー製品より耐食性や耐久力に優れ、部品加工した際の信頼性が向上。世界的な環境規制で鉛フリー黄銅棒は需要拡大が見込まれる中、高品質の新製品投入で市場ニーズを取り込む。
親会社であるキッツと共同開発したZCは性能のバランスを重視した。耐脱亜鉛性、耐壊食性などの耐食性と衝撃特性、延伸性などの機械的性質を総合的に底上げ。鉛を含む一般黄銅棒と同等以上の基本性能を備えた。
キッツメタルワークスやサンエツ金属は、鉛の替わりにビスマスを添加するビスマス系を製造。一方、三菱伸銅はシリコン系の「エコブラス」を製造しており、国内外の複数メーカーとライセンス契約も結んでいる。
切削性ではビスマス系が勝り、強度ではシリコン系が優れるといった性能の違いから、ユーザーの選択は割れており、どちらが市場の主流になるかも見方が分かれる。
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