2011年10月5日

住友林業・日新製鋼、住宅沈下修正で新工法 ZAM使用でコスト4割減

 住友林業、日新製鋼、日新鋼管の3社は4日、住宅をリフトアップして沈下を修正する「住宅用不同沈下修正工法」を開発したと発表した。日新製鋼が開発したZAM製膨張型鋼管(ロックボルト)により、住宅を引き上げる。従来工法に比べて最大4割コストが削減できる。軟弱地盤に効果を発揮し、住宅への負担が少ない工法として、購買者に提案していく方針だ。

新製品・新技術 ロックボルトは、鋼管に200―250気圧の高圧水を注入することで膨張する。沈下した部分の地盤と基礎の間に敷設したロックボルトを膨張させ、建物を引き上げる。その後、高さ調整し、充填剤を入れることで、不同沈下を修正する。新工法は現在、特許申請中。

新製品・新技術 木造2階建てで、10―15本のロックボルトを使用。15センチ前後の沈下に対応できる。80平方メートルの面積で、薬液を地盤に注入する工法に比べて2割、鋼管杭を設置して油圧ジャッキでリフトアップするアンダーピーニング工法に比べて3―4割価格が抑えられる。

 新工法には、住宅を建設する段階で鋼管を敷設する「先施工工法」と、沈下後に住宅に適用する「後施工工法」がある。地盤によって異なるが、先施工工法の場合、材料費20―30万円を含み50万円超のコストで施工可能となる。

 ZAM製の膨張型鋼管は、トンネル掘削工事の際に地山を安定化させるために使用してきた。新工法ではジャッキアップ機能を高めるため、トンネル掘削工事に用いているものを平面形に特殊加工した。耐食性に優れているため、長くて60年の耐用年数が期待できる。

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