2011年7月6日
住友電工、CBN新材種「スミボロンBN7000」開発 鋳鉄・焼結合金切削用
住友電気工業は5日、世界最高レベルのCBN(立方晶窒化ホウ素)含有率を有する、CBN新材種「スミボロンBN7000」を20日に発売すると発表した。自動車部品に多く使われる、鋳鉄や焼結合金の汎用的な切削加工に適する。
ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つCBN粉末を、結合材とともに高温・高圧下で焼き固め、CBN焼結体工具にする。CBN含有率が高いほど、工具としての強靭さが高まる。
住友電工は焼結時の圧力を、従来の5万気圧よりも高めて、より高密度にCBN粒子を焼き固めるなど、CBN含有率の高い焼結体の製造技術を確立。結合材の使用量削減に成功した。結合材そのものについても、CBN粒子同士をより強力に結びつける新材料を開発した。
高熱伝導率のCBN粒子が高密度に焼結されているため、焼結体自体の熱伝導率が高く、鋳鉄を毎分1500メートル以上の超高速で切削した場合でも、優れた放熱作用で刃先温度の上昇を抑え、熱亀裂を抑える。同社の鋳鉄高速仕上げ用カッターとの組み合わせにより、従来品比1・5倍の工具寿命を実現する。
焼結合金の高能率加工でも、CBN含有率の高さと新開発の結合材の効果により、刃先の耐欠損性を従来品比1・5倍に向上した。
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