2011年5月26日

日本金属工業、ばね用の低ニッケル・ステンレスを開発

 日本金属工業は24日、ニッケル含有量を従来の半分以下に抑え、マンガンなど加えたオーステナイト系ステンレス「NTKS―7」を開発・商品化したと発表した。ばね用ステンレスとして電子部品、自動車、医療機器向けなどに拡販する。低ニッケルのため、従来のばね用ステンレスSUS301より、20%以上のコストダウンが可能。加工しても磁性が極めて低く、磁性を嫌う用途にも適しているという。

新製品・新技術 オーステナイト系ステンレス「NTKS―7」は、ばね材に使われるSUS301の代替材としての特長を維持し、価格変動幅が大きいニッケルの低量化にこだわった。基本成分組成は「16・5%Cr―8%Mn―1・2%Ni―2・1%Cu」で、同社がラインアップしているオーステナイト系鋼種の中で、最もニッケル含有が低い鋼種。

 NTKS―7の硬さバリエーションは、JISG4313ばね用ステンレス鋼帯のSUS301―CPUにおける調質の記号で1/2H、3/4H、フルHが製作可能。また同製品はクロム、マンガンを主成分としており、加工による硬さの上昇に伴う磁性の発生をSUS301、SUS304より低く抑えられ、強度は両JIS鋼種より高い。1000時間の耐食性試験でも、JISZ2371塩水噴霧(5%塩化ナトリウム)で錆びはなかったという。

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