住友金属工業は20日、錫を添加した新耐食高張力鋼を開発したと発表した。海辺や凍結防止剤が散布されるなど高塩分環境下での耐食性に優れる。塩分に強い高張力厚鋼板として鋼製橋梁に適用することで、塗り替え補修までの期間延長や、塗り替え作業軽減などの効果が期待される。
鋼製橋梁は一般的に、さび防止のため塗装が施される。高塩分環境では塗装の傷部や部材の鋭角部などから、さびが広がりやすく、定期的な塗り替え補修を必要とする。
住友金属は、鋼に微量の錫を添加すると高塩分環境で耐食性が大きく向上することを2002年に見いだし、塗り替え作業の際のさび除去が不十分でも、錫添加で耐食効果があることを明らかにした。
新耐食鋼は強度や溶接性など従来鋼と同等以上の橋梁用鋼材基本性能と、高い耐食性を両立する。