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2024.10.30
2011年5月16日
神戸製鋼・トヨタ、ハイテン加工で新技術 残留応力を大幅低減、軽量・コスト減
神戸製鋼所は13日、トヨタ自動車と共同で新しいハイテン(高張力鋼板)加工技術を開発したと発表した。980メガパスカル(MPa)級超ハイテン材の残留応力を大幅に低減させる「リバース・ボトミング工法」と呼ばれるもので、この工法を使った部品が今年1月にトヨタが発売したレクサスCT200hのセンターピラーに採用された。また、この工法開発・採用で、トヨタが2月25日に開いた2010グローバル仕入先総会で軽量化貢献が評価され、「MI(マス・イノベーション)賞」を受賞した。
一般に980メガパスカル級以上の超ハイテン材を、センターピラーなど形状が複雑な部品にプレス加工する際、問題とされていたのがキャンバーバック(反り返り)という現象を生むハイテン材内部の残留応力。神鋼とトヨタは数年前からシミュレーション技術などを使って、ハイテン材の加工効率化に向けて研究・検討を進めてきていた。
今回開発した「リバース・ボトミング工法」では、2方向からプレスを分割して行う工程設計により、残留応力を大幅に低減した。これにより、従来、440―590メガパスカル級鋼板の適用にとどまっていたセンターピラーに、980メガパスカル級冷延ハイテン材の適用が可能となった。材料強度を大幅に強化できることで、部品点数の削減につながり、約35%の軽量化と約25%のコストダウンが実現した。
神鋼は昨年、USスチールとの合弁の米国・プロテックに連続焼鈍設備(CAL)の導入を決めるなど、グローバルハイテン戦略を薄板事業の中核と位置づけているが、グローバル戦略と、今回のような技術ソリューション活動によって、2015年度にハイテン材(590メガパスカル級以上)の販売量を現在の2倍に引き上げる方針だ。
一般に980メガパスカル級以上の超ハイテン材を、センターピラーなど形状が複雑な部品にプレス加工する際、問題とされていたのがキャンバーバック(反り返り)という現象を生むハイテン材内部の残留応力。神鋼とトヨタは数年前からシミュレーション技術などを使って、ハイテン材の加工効率化に向けて研究・検討を進めてきていた。
今回開発した「リバース・ボトミング工法」では、2方向からプレスを分割して行う工程設計により、残留応力を大幅に低減した。これにより、従来、440―590メガパスカル級鋼板の適用にとどまっていたセンターピラーに、980メガパスカル級冷延ハイテン材の適用が可能となった。材料強度を大幅に強化できることで、部品点数の削減につながり、約35%の軽量化と約25%のコストダウンが実現した。
神鋼は昨年、USスチールとの合弁の米国・プロテックに連続焼鈍設備(CAL)の導入を決めるなど、グローバルハイテン戦略を薄板事業の中核と位置づけているが、グローバル戦略と、今回のような技術ソリューション活動によって、2015年度にハイテン材(590メガパスカル級以上)の販売量を現在の2倍に引き上げる方針だ。
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