2011年2月17日
福電、耐熱・耐震型補償電線を開発 シールドに銅箔糸採用
耐熱電線メーカーの福電(本社=大阪市中央区)はこのほど、銅箔を巻いた糸を編組シールドに採用した耐熱・耐震型補償電線『KXタフラ―BST』を開発した。シールドが断線してシースを傷つけるのを防いだもので、厳しい使用環境下における可動部配線の需要を見込んでいる。
補償電線は温度差を測定するセンサー(熱電対)のリード線に使われる。従来品の『KXタフラ』は高ニッケル合金の導体に、フッ素樹脂の絶縁、可とう性フッ素ゴムのシースを施したK熱電対用の耐熱・耐震型の補償電線で、柔軟性に優れ200度下の連続使用にも耐えられる。
このほど開発した新製品『KXタフラ―BST』は、絶縁体とシースを遮へいする金属編組シールドに、素線径0・11ミリの錫めっき銅箔糸を使用したもの。銅箔を糸に巻くことで柔軟性を保ったままシールドの強度を上げ、断線してシースを内側から破るような問題は解消される。
同社の屈曲試験では、1分21回のペースで行った計500万回の曲げ試験、1分38回で360度ねじった計500万回の捻回試験、1分12往復の100万回のケーブルベア試験もすべてクリアした。絶縁体や外装にひび割れもなく、外観試験や電気試験にも合格している。
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