2010年7月14日

大同特殊鋼とダイドー電子、高磁力・耐熱性の磁石を開発

 大同特殊鋼とダイドー電子は13日、高磁力と高耐熱性を兼ね備えた世界最高性能の省ジスプロシウム型ネオジム―鉄―ボロン系ラジアル異方性リング磁石「ND―43SHR」(最大エネルギー積43MGOe)と「ND―39SHR」(同39MGOe」を開発したと発表した。

新製品・新技術 新たに開発した熱間塑性加工法により、ナノレベルの結晶粒を高度に配向させることで、焼結磁石対比約半分の希少金属ジスプロシウム量で、世界最高レベルの高磁力と高耐熱性を実現した。

 ネオジム系ラジアル異方性リング磁石はEPS、産業機器などの中小型モータに幅広く採用、中でも燃費改善効果の高いEPSで、急速に使用が拡大している。電気自動車やアイドリングストップなど新システムによる車両の電動化、小型化・軽量化の流れに沿い、モータの小型化・高トルク化需要が増加しているが、従来のリング磁石では高磁力化が難しく、140度℃耐熱グレードによる最大エネルギー積の最高値は35MGOeだった。このような状況下、モータの小型化・高性能化ニーズにこたえ、高温下でも高磁力を維持できるリング磁石が求められていた。

 2タイプの新リング磁石は、従来品に対し重量ベースで7―8%軽量化し、高額なジスプロシウムの使用量半減により原料価格を同約13%低減。製品コストも従来品と同等以下に抑えられる。最大エネルーギー積が「43SHR」で同23%、「39SHR」では同11%向上。「39SHR」は150度℃までの耐熱性も有している。

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