JFEスチールは18日、慶応義塾大学電気自動車研究室(代表=清水浩・環境情報学部教授)と共同で、1470Mpa(メガパスカル)級の高張力冷延鋼板を主材料にテーラードブランク技術とコンピューターシミュレーションなどを駆使して超小型電気自動車の集積台車用のスチールフレームを開発・製作したと発表した。将来的に普及拡大が進むとみられている電気自動車向けの鋼材使用の方法などの可能性を探ることが狙い。
今回製作した電気自動車は慶大が文部科学省の支援を得て進めている「コ・モビリティ社会の創成」プロジェクトの一環として開発したもの。JFEが開発・製作に参加した集積台車はこの電気自動車の走行ユニットで、バッテリー、インバーターを格納する箱としての機能と、インホイールモーターやサスペンション、操舵機構、キャビンを支える骨格としての機能を持つ。
台車フレームは車体を支えるメーンフレームを閉断面構造にすることで高剛性と軽量化を実現、先行開発試作車に比べ剛性で7倍、重量で16%減の18キロ弱になるという。材料として1470Mpa、980Mpa、590Mpa、440Mpa級の高張力冷延鋼板(板厚は0・6―1・6ミリ)を使い、車体を支える骨格部分の鋼板と外板パネルの鋼板をあらかじめ一体化させたテーラードブランク材を一度に折り曲げ加工し、高い生産性も実現した。