2010年3月3日
中部大、世界初の200メートル超伝導直流送電に成功
中部大学、超伝導・持続可能エネルギー研究センター(愛知県春日井市)は2日、世界初となる200メートルの高温超伝導直流送電に成功したと発表した。2006年に同大学が記録した送電距離20メートルを大幅に上回る。超伝導直流送電は、交流送電と比較して送電損失を10分の1に抑えることができ、次世代送電網として世界的に注目を集めている。
200メートル用の実証実験装置は昨年、新設した実験棟に設置、2月上旬に実験に成功した。液体窒素の循環性を改善することで送電の安定性を確保。送電線の真空断熱領域を挟み外管を亜鉛めっき鋼管、内管をステンレス管にすることで断熱性を高め、トータルコストを抑えた。
11年には、中部大学の構内配電を超伝導直流に切り替える予定。送電距離を全長200―500メートルに延長し、データセンター向け構内配電に対応する。
さらに15年をめどに送電距離を20―50キロに延長。都市間送配電を可能にすることで、スマートグリッドなどにも対応していく計画だ。
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