国内軽圧品相場の指標で四半期ごとに改定されるアルミ新地金の7―9月価格は前四半期(4―6月)と同額のキロ270円にとどまる見通しだ。
7―9月の新地金価格は3―5月のロンドン金属取引所(LME)アルミ価格に対日プレミアムを加え、金利や為替などの諸費用を考慮して円建てで算出する。年明け以降、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が広がり、中国経済減速の過度な悲観論も後退。アルミ需要減少への警戒感が和らいだことから、3月のLMEアルミセツルメントはトン1830―1900ドルの範囲で推移した。だが4月、トランプ米大統領が欧州連合(EU)からの輸入品に新たに関税を課すと警告すると、嫌気して下値を探る展開となり、セツルメントの月間平均も1850ドルを割り込んだ。 5月に入るとトランプ米大統領が中国からの輸入品に対する追加関税を10%から25%に引き上げる考えを表明し実行。中国も米国への報復措置を6月に実施すると発表するなど、先行き不透明感が強まった。銅などの非鉄金属相場が軟調となる中、アルミも弱含み、1800ドルを下回った。