2018年7月12日
豪雨で鉛製錬所操業停止 需要家、自社在庫で対応 当面影響少なく
西日本豪雨による鉛製錬所の操業停止を受け、バッテリーメーカーは自社原料在庫で生産対応する方針だ。電気鉛の国内需給がタイトな状況下で、国内生産能力の3分の2相当が被害を受けたため、商社などを通じて緊急輸入する必要も考えられたが、当面の生産に影響は少ないとみられている。
6―7日の豪雨により、三井金属・竹原製煉所(広島県竹原市)では工場内が冠水し、一部生産ラインで操業が停止し、復旧に向け対応中であると10日発表した。東邦亜鉛・契島製錬所(同豊田郡大崎上島町)も断水などで停止しており、同日付で同様の発表を行った。これら鉛製錬2拠点の年間生産規模は約13万トンと推定される。
鉛バッテリー最大手のGSユアサは11日、本紙取材に対して「一定のストックはあるが、事態が長引けば対策を講じたい」(広報)とコメント。ただちに輸入など措置はとらない姿勢を示した。自動車用鉛バッテリーの需要が好調な上に、製錬メーカー在庫もほぼ払底とみられていたため、「韓国からの緊急輸入は避けられないのでは」(商社関係者)などと言われていたが、当面は事態を見守る構えのようだ。
竹原製煉所は来週には復旧の見通しで、それまでに出荷予定の物量は確保できている。しかし、両拠点のある広島県竹原市周辺は、土砂崩落などによって交通網が寸断されており、物流面での影響が今後長引く可能性もある。
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