西日本豪雨、非鉄企業の一部に影響 今後の物流に懸念 多くは通常操業

西日本地域を中心とした集中豪雨の影響は、非鉄企業にも一部影響を及ぼしている。朝日アルミ産業の事故はあったものの、製錬メーカーの主要拠点など、多くの企業が通常操業を行っており、影響は限定的とみられる。ただし、今後の物流体制などに関しては、懸念を示す指摘も出ている。関連

国内製錬大手8社の製錬所やグループ主要拠点について、西日本の大雨による人的被害や深刻な設備被害は、9日昼時点で聞かれなかった。休廃止鉱山の被害も同時点では確認されていない。ただ、多くの会社が現地の状況確認を続けており、従業員の通勤への影響、原料・製品の物流への影響を含めて、予断を許さない。

三井金属の竹原製煉所（広島県竹原市）で一部冠水があったが、同社広報担当者によると操業への影響はない。東邦亜鉛の契島製錬所（広島県豊田郡）は、操業上の大きな問題は現状見つかっていないが、対岸の道路の寸断が物流に今後影響する可能性がある。竹原製煉所は三井金属のリサイクル製錬ネットワークの中核拠点。契島製錬所は国内最大の鉛製錬所。

他には、国内産銅最大手パンパシフィック・カッパーの佐賀関製錬所（大分市）、日比共同製錬玉野製錬所（岡山県玉野市）、電気銅や電気ニッケル、電池材料を造る住友金属鉱山の愛媛・別子地区（東予工場、ニッケル工場、磯原工場、四阪製錬所）、播磨事業所（兵庫県加古郡）、銅製錬や錫製錬の三菱マテリアルの直島製錬所（香川県香川郡）、生野事業所（兵庫県朝来市）などがある。

国内アルミ圧延大手の工場や営業拠点について、西日本の大雨による人的被害や被害設備、それらに伴う操業停止は、9日昼時点で生じていない。なお、岡山県高梁市にある日軽形材の工場では、断水があったものの、設備に影響は出ていない。

一方、ＬＩＸＩＬの国内製造拠点の1つで、水栓金具を生産する尾道工場（広島県尾道市）は9日昼の時点で操業を停止。従業員や設備に被害はなく、ＩＴなどネットワークに問題がないが、尾道市全域で7日から断水になり、工場も水を使用できない状態だ。ただし、断水が解除されれば問題なく操業できる見通しとしている。

大手電線メーカー、および伸銅関係で操業への影響は聞かれていない。住友電工グループの住友電工焼結合金の本社・岡山工場は、一部従業員が出勤できないケースがあったものの、操業に支障はないとしている。