神戸製鋼所のデータ不正問題に関し、不適合製品の出荷先525社のうち安全性確認が取れたところが6社増え443社となった。その内訳を見ても顧客自身が安全性確認を終了した件数が増えており、安全性検証は着実に進捗していることがうかがえる。一方で、アルミ押出品や銅板はまだ過半で安全性が確認されておらず、課題もはっきり見える。
安全性検証は「顧客で確認済み」「顧客で当面の問題はないと判断」「神戸製鋼で安全確度が高いと判断」の3段階で、それぞれA、B、Cに分類。先月26日の前回発表時と比べるとB、Cが減ってAが23社増の252社となり、顧客の最終確認が進んでいることを表している。
最も進捗が見られたのはコベルコマテリアル銅管と神鋼メタルプロダクツ。銅管は新たに4件で安全性確認が取れ、対象の全23社がAかBに入った。銅合金管と電炉用モールドを手掛ける神鋼メタルプロダクツはAが16社増えた。
自動車や鉄道車両に使われるアルミ押出品は対象34社のうち、安全性確認がとれたのはまだ15社。銅板に至っては38社のうち4社にとどまる。川崎博也会長兼社長は前回発表時に「サプライチェーンが複雑なこと」がこれらの調査遅れの要因と説明しており、全社で確認を終えるまでにはまだ時間を要する可能性がある。