国内大手軽圧メーカー4社の2013年4ー12月期決算が13日出そろい、営業利益を発表している3社すべてで前年同期の実績を上回った。在庫評価益や為替差益が利益を押し上げた。販売面は前年実績に届いていないものの、下期に入り自動車や半導体製造装置などを中心に回復傾向が強まりつつある。14年3月期は今回初めて発表したUACJを含め、3社が増益となる見通し。
UACJの営業利益は112億8200万円で前年の同じ時期に比べ約3・2倍となった。主な増益要因は棚卸評価益と、日光工場の上工程休止などに伴うコストダウン効果。一方、主力のアルミ板の販売量はパソコン筐体などIT向けの不振が響き、1万6000トン減の71万9000トンにとどまった。ただ自動車向けは5万5000トン。エコカー補助金の追い風を受けて好調だった前年同期の5万7000トンに近い水準となった。10月以降、消費税増税前の駆け込み需要などの影響で需要が回復傾向にあるとみられる。
日本軽金属ホールディングス(HD)は営業利益が黒字転換した。主力のアルミナや水酸化アルミニウムは円安による原材料高で不振が続いたが、自動車各社の生産増を背景にアルミ二次合金の販売が伸びた。半導体・液晶製造装置向け厚板の販売も回復が続いたほか、鉄道車両向け押出製品も好調で、アルミナ・水酸化アルミの落ち込みを補った。
神戸製鋼所(アルミ・銅事業部門)の経常利益も約3・6倍の増益。4ー6月期を中心に発生した在庫評価益が最大のプラス要因だが、自動車向け需要を受けて圧延品の販売数量が前年同期並となったことも利益を押し上げた。
昭和電工(アルミニウムセグメント)の4ー12月の営業利益は48億4100万円で、前年の同じ時期の約2・7倍となった。アルミ電解コンデンサー用箔の需要回復や、旺盛な海外の自動車生産を受けショウティックの販売が増加したことなどが要因。