2011年3月22日

建設用電線販売大手2社、東日本の物流 順次復旧

 建設用電線の国内メーカー販社大手2社、住電日立ケーブル(本社=東京都台東区、HS&T)とフジクラ・ダイヤケーブル(本社=東京都中央区、FDC)が、東日本地区の物流機能を順次復旧させている。先週中に主力拠点で、受注システムや自動倉庫の動作回復、散在した在庫品の良否判定などが進んだ。しかし、両社とも配送難に頭を抱え、資材不足に伴う電線仕入れの先行き不安も浮上している。

 HS&Tは、東日本の被災拠点でダウンしていた在庫管理・受注手配の全国ネットワークシステムが、先週、茨城県日立市を除く全拠点で復旧した。しかし、18日時点で実質的に稼働する在庫・切り分け・配送拠点は、神奈川県座間市、千葉県習志野市の2カ所にとどまった。

 茨城県石岡市の拠点では、在庫品の良否判定を続けており、今週中の再開を目指す。仙台市では被害自体は軽微だったものの、配送用、および従業員の通勤用の燃料確保が非常に難しく、稼働率は低い。従業員の通勤問題は他拠点も同様で、座間では計画停電対応の操業率低下もある。

 在庫面では、東日本地区で福島第1原子力発電所向けの緊急大口出荷も出ているため、西日本地区からの大規模移送による補充を準備中。この措置により、在庫レベルは東西ともに通常時の6割前後となる見込み。

 FDCは、東京都江東区と埼玉県白岡市の在庫・切り分け・配送拠点で、先週中に自動倉庫からの製品取り出しが可能になった。しかし、トラック、燃料の手配難がやはりネック。仙台市の拠点は18日時点でまだ再開していない。

 電線の仕入れについては、国内電線メーカーが東西、大手中小を問わず、震災の影響による銅・被覆材の調達不安に直面しており、HS&T、FDCのグループ会社も同様。4月以降の電線生産動向は18日時点でまったく見えない。

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