中国 粗鋼減産も効果薄く 在庫高水準 需要減に追いつかず 9月も鋼材安・輸出増

【上海支局】中国鉄鋼業の減産が8月に大きく進んだ。全国粗鋼生産の約8割を占める中国鋼鉄工業協会会員企業の粗鋼生産は8月下旬に188万5400トンと前年同期に比べ7・8％減り、昨年末以来となる低い水準となった。国内需要の減少と鋼材安による赤字基調からメーカーが生産を抑えており、同協会の試算によると全国粗鋼は年9億4000万トンペース（2023年実績10億1908万トン）に低下している。一方でメーカー・市中の鋼材在庫の水準は高いまま。需要の減少に減産が追いつかず、鋼材輸出は高位を保ち、鋼材市況は先週に大きく下落した。需要が好転する気配はなく、鋼材市況が底を打つにはさらなる減産を要するが、増産を誘う秋の需要期にメーカーがどれほど生産を調整できるかが注視される。