中国の粗鋼生産が8月に増加に転じた。1日当たり221万1900トンと前月比2・6%増え、2カ月ぶりに増加。中央政府による能力削減策や環境規制、杭州G20首脳会議前の操業制限などで減産が進んだとの観測が多くみられたが、鋼材市況の上昇が続いたことでむしろ増産に傾いた。政府の能力削減と環境規制は徐々に本格化するが、9―10月は年最大の需要期であり、利益確保可能な鋼材価格が維持される中、鉄鋼企業の増産意欲は秋を迎えてなお高まる見込みだ。
月間生産量は6857万トンと前年同月比3%増え、6カ月連続増加。7月の生産は洪水影響や夏季定期修繕などで6月より減ったが、自動車生産やインフラ工事など一定の需要があり、8月は高水準の生産に戻った。1―8月累計5億3632万トンと前年同期比0・1%減でほぼ前年並み。14年から続く年8億トンに達する勢いは変わらない。