現代製鉄、東国製鋼などの韓国電炉メーカー各社は、7、8日韓国内の鉄スクラップ購入価格をトン当たり1万ウォン(900円)一斉に値下げする。5月積みゼネコン向け異形棒価格が2万ウォン値下げされたのを受けた措置。6月積み製品価格動向次第では、月内に後2度値下げの可能性があるとしている。
韓国の鉄スクラップ市場は、高水準の輸入スクラップを背景に電炉主導の長期の下げ場面が継続している。主要電炉は、全体で140万㌧前後のスクラップ在庫を抱えており、国内の発生が低下している中で多めの在庫を維持している。
こうした中で新月城原子力発電所で2基の原発が停止するなど電力事情が悪化。電力庁は、電炉に対し、午前10時から午後4時までのピークタイムでの「予告休止」を要請しており、すでに一部電炉では減産入りしている。製品価格低下の中での減産強化でスクラップ需要は低下するとの判断から国内スクラップの再度の値下げにに向かいだした。
東国製鋼は、7日から1万ウォンの下げ。最大手の現代製鉄は、唐津、仁川、浦項の3工場で8日から1万ウォン下げる。南部・嶺南地区電炉も、週末から週明けにかけ1万ウォンの値下げを打ち出している。
3月以降の連続的な買値の引き下げで大手ヤード業者は、収益難から財務体質の悪化を訴えている。このためけん制策から一部で中国などへの輸出に動いている業者もいる。
大手電炉は、極東ロシアのアムールスチールが電炉操業を休止しているとの情報からロシアからの輸入を進めており、韓国内でのスクラップ市況は、梅雨入りも加わり厳しい状況にある。